ニコンサロン写真展を終えて

2011.11.14
大阪ニコンサロンでの写真展を終えて10日間ほど経ちました。
今年6月の写真集の発刊から約5ヶ月経過、ほんとにあっという間に時間が通り過ぎていったような感じです。
12/4から始まる私の出身校である名古屋ビジュアルアーツでの写真展までを一つの流れの区切りと感じています。
昨年から始まった三重での写真展、出版後の三重県巡回展、東京と大阪ニコンサロン、そしてこれから開催する母校。ほんとに沢山の方々に写真を見ていただきました。キャプションのほとんどない展示で親切ではなかったかもしれません。それでも見ていただく中で、遠いような、近いような「ふるさと」の姿を少なからず思い起こしていただけたのではないかと思っています。(いいことばかり?思い起こした訳ではないかもしれませんが)
会場で聞かせていただいた言葉や写真集を見ていただいたあとの言葉などを糧に、今後の活動を続けてゆきたいと思います。
いろいろな方のおかげで今回の写真展、写真集が生まれたと再認識しております。
ありがとうございました。もうひと踏ん張りさせていただきます。
私自身の覚えを含めて、会場に掲示したtextを掲載しておきます。
写真展「村の記憶」
 この度は写真展「村の記憶」に足をお運びいただきありがとうございました。
幼少の時の記憶を訪ねるつもりで写真専門学校の時に「村」という場所を訪ねたことがきっかけで、今も「村」という場所を撮影しています。
 2006年春、三重県地図から「村」が消えました。平成の大合併です。ある村は町へ、ある村は市へ名前を変えました。行政区分上の名前を変えたからといって、すぐに人々の暮らしやその土地の風景が変わってしまう訳ではありませんが、それでも「何かが変わってしまうような気がする」そんな衝動が私に起きてしまったのも事実です。かつて「村」と呼ばれていたところの場所や人々の暮らしを、余韻が残っているうちに写真記録しようと思い立ち個人的に撮影をさせていただきました。「出来る限り細部まで描写して写真に定着させ残したい」という思いから、4×5インチの大型カメラを使用して1枚1枚時間をかけて撮影しました。細密描写しようとしたのは記録で、そこから抽出される世界は記憶なのだと、今は感じています。
今回の写真展では平成の大合併後、三重県の地図上から消えた9村を訪ねた写真を中心に、村の余韻を残す様々な地域を撮影したものを加えて展示します。
追記
 今年は日本で大変大きな出来事がありました。「ふるさと」という場所が一瞬にして無くなってしまう、そういう状況を見たような気がします。そしてそのことが他人事で無いことも。そのような状況の中で、本当に大切なことは何か、忘れてきた物は何か、人が生きて行くことで大切なことは…
ふるさとである「村」はそんな様々のことを思い起こさせてくれるのかもしれません。「還るべき場所のあることはほんとに幸せなことなんだ」と、いつも村を見つめている墓たちからは、そんなメッセージを投げかけられているようにも思えました。「生まれ、生きて、死ぬ」生の営みであるその循環について今再び考えるときが来たような気がします。「村」という場所を見つめながら考えたいと思います。ご覧になられる方々それぞれの「村の記憶」を思い起こしていただければ幸いです。
 今回の写真展開催にあたり様々な方々のご協力をいただきました。ここにお礼申し上げます。ありがとうございました。
 最後に東北の震災で被災された方々へのお見舞いと共に、亡くなられた方々へご冥福のために手を合わせたいと思います。
2002年~2011年三重県内にて撮影
松原 豊

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